エヌ氏がひとり

あの日を思い出すためのブログ

万年筆を買うこと使うこと

 

 

万年筆を使い続けて2年ちょっとが経ちました!

まだまだ新参者のビギナーですが、購入を続けるうちに万年筆に対する自分の考えや環境がまとまってきたのを感じます。

もちろん今後変化することもあるとは思いますが、ここで一度記録しておこうというのが今回の記事です。

 

なぜ万年筆を使うのか

ボールペンもシャーペンもある時代、なぜ万年筆なのかと疑問に思うことがあります。

 

考えてみて出てきた理由は2つ。

まず単純にかっこいい。

もともとクラシカルなものが好きなので、万年筆が持つイメージや雰囲気に惹かれます。

ボールペンのかっこよさ、シャーペンのかっこよさ、万年筆のかっこよさのうち、万年筆が肌に合っていたということです。

 

そしてなんといっても書き心地。

正確には筆圧がいらないところです。

ボールペンでもシャーペンでも、筆圧の弱さでストレスを感じることが多々ありました。

ボールペンはかすれてしまい、シャーペンは字が薄くなりがちであるためです。

 

しかし万年筆なら筆圧は弱くて良い、むしろいらないまである!

最近は万年筆に慣れすぎたあまり、複写用紙の記入がままならないこともしばしばですが。

快適に書けると書くこと自体が楽しいです。

 

どんな万年筆を買うか

求めているのは「書いていて楽しい万年筆」。

言い換えるなら「書いていてストレスが少ない万年筆」です。

それを判断するにあたっては、大きく3つの関門が存在しています。

 

第一関門は値段。

予算は実売価格で2万円以内が多いです。

そこまで万年筆にお金を出せる方ではないのと、高すぎるペンは持つだけで緊張してしまい楽しめません(少なくとも今は)。

懐事情がそういった感じなので、購入はほとんどネットショップです。

定価より20~30%引きくらいで買えることが多く、大変ありがたい。

 

第二関門はデザイン。

「良い!」と思うところが「うーん…」と思うところを上回れば突破です。

前者は主に

  • ベスト型
  • 二重キャップリング

です。

少なくともどちらかに該当していると候補に入り、どちらも満たしているとありがたい。

 

後者、すなわち好みに合わない要素ですが、これはなかなか多い。

以前に比べたら減ったものの、いまだに不寛容です。

特に

  • バランス型 +黒軸 +金トリム
  • 雨だれクリップ
  • 重さが30g以上

はまだどうしても手が伸びません。

他にも配色バランス、軸径、軸色の明度彩度など、自分でも面倒なレベルでどの軸にもケチをつけてしまいます。

しかし、ここで妥協すると騙し騙し使って楽しむどころではなくなるため、必要な作業であるのは確か。

 

ちなみに、手放しで好みなデザインはプロギア金・銀スーベレーン緑縞です。

ベスト型で二重キャップリングに加え、天冠にロゴ、バイカラーニブと来たものだから素晴らしい。クリップのデザインもお洒落。

 

そして最終関門は字幅。

値段も予算内、デザインも良し、しかし字幅が…となって購入していない軸はいくつかあります。セーラーの四季織シリーズはその一つです。

インクの消費量が多い中字~太字が好きなので、それらがラインナップにあると嬉しい。

カスタムヘリテイジ912のウェーバリーは、唯一字幅ありきで選んだ軸です。

これは書き心地の面で、実にストレスが少ないペン先でした。

 

購入記録記事を書く

万年筆購入後の恒例行事。

いわゆるレビューの形はとっておらず、何をどんな経緯で購入したのかを記録しています。

万年筆歴が浅いことに加えて所持本数もそれほど多くなく、書き心地の差異や軸の特徴を書けるほどの経験や知識は持ち合わせていないためです。

多くの記録記事は買ったあとの勢いで書いているので、たまに読み返すと初心を思い出せて楽しい。

 

インク

2022年7月現在、所持しているインクは以下の通りです。

  • セーラー
    • 青墨
    • 四季織:夜桜
    • 四季織:しとしと
    • 四季織:カートリッジ20色
  • パイロット
    • ブルーブラック
    • 色彩雫:月夜
    • 色彩雫:天色(ミニ)
    • 色彩雫:花筏(ミニ)
  • ペリカン
    • エーデルシュタイン:ジェード

以前所持していた、セーラーの極黒とペリカンのロイヤルブルーは手放してしまいました。どちらも使い切るのに相当時間がかかりそうだったためです。

ただ、極黒は宛名書き用として重宝していたのでカートリッジに切り替えました。

一方、ロイヤルブルーは想定外の入手で使用の目途が立たず。綺麗な色だったのですがね。

 

インクは「色んなインクを使いたい」よりも「それぞれのインクを使い切りたい」という思いが強いです。

消費期限の目安は製造から2~3年とのことなので、その期間内に使い切ることを目標にしています。

 

吸入はシリンジを使うのが常です。

ニブや手がインクに染まらず、吸入量の調節も容易なので重宝しています。

回転吸入式を大切にしているペリカン社には申し訳ないですが、スーベレーンさえニブユニットを取り外して直接入れる始末。

 

万年筆を使う

用途はさまざま、使うペンも気まぐれですが、日記はプロギア銀と青墨と決めています。

5年連用の日記なので、書きグセの変化を見るには同じペンとインクを使い続けるのが良いかと思ってのことです。

万が一にも水没した場合、顔料インクの方が読める可能性は高いですしね。

 

使う場所はほとんど家です。

紛失と盗難を恐れるあまり、外ではなかなか使えません。特に金ペンを持ち出す勇気がない。

鉄ペンかつ5000円前後だと何かあっても諦めがつきそうなので、これからはそういったペンを買う機会が増えるかもしれません。

 

気兼ねなく使えることを一番に考えているので、安くてコスパの高い紙に自然と手が伸びます。

現在主に使っているのは以下の3つです。

  • トップバリュ クラフト表紙メモパッド A6 無地、方眼
  • ダイソー プランニングパッド A4
  • ダイソー クリーム上質紙メモパッド B7

どれも裏抜けが少なく、書き心地もなめらかで満足しています。

紙にもこだわった方がペンにとっては良いと承知しているのですが、なかなかそこまで踏み出せず、、

 

つけペン

最後に横道へそれますが、万年筆を始めたことでつけペンも使うようになりました。

目的はインクの消費。

もっとインクを使う方法はないか?と探していたときに見つけたのがカリグラフィーです。

大量にインクを消費できるうえ、それっぽく書けると楽しい。

やらない手はない!と思い購入したのは、スピードボール社のCシリーズセット。

カリグラフィーの世界では、同社のC-2というニブがメジャーだそうです。

これ以外にカリグラフィーニブの万年筆やパイロットのパラレルペンも考えたのですが、インクの数だけ本数が増えてしまいそうなので見送りました。

他に購入したのは日光のGペンニブ。

フォルカンやフレックスニブは壊すのが怖くて手を出せませんでしたが、これなら思う存分強弱がつけられます。消耗品ゆえ調子が悪くなれば容易に交換できますし、万年筆に比べたら大変安価です。

 

最近は、セーラーのhocoro(ホコロ)やパイロットのiro-utsushi(いろうつし)などの選択肢もありますよね。

hocoroやiro-utsushiのニブはペンポイントがついていますから、より万年筆に近い書き心地を求めるならそちらが良さそう。

 

おわりに

これは万年筆以外のものにも言えるのでしょうけれど、色んな方がいて面白いなと感じます。

万年筆に触れたきっかけ、軸やニブの好み、購入のスタンス、使う場面…。

まさに老若男女、千差万別!

インクも、たとえば化学に明るい方は全く違う景色が見えているんだなと思うと羨ましいです。

色んな知識と考え方に出会いながら、これからの万年筆生活も楽しんでいきたいところ!