趣味でハープ(グランドハープ)という楽器を弾いています。
「なんでハープやろうと思ったの?」と聞かれたとき「音色が好きで」と答えることが多いのですが、別の理由もあるため、それらを書きとめておこうと思います。
①弦をはじけば音が出る
ハープは、指で弦をはじいて音を出す撥弦(はつげん)楽器です。
すなわち、弦をはじくだけで音が出ます。
このシンプルさが好きです。
管楽器だとそうはいきません。
譜面に書かれている音を必ずしも自分が出せるとは限らない。低音域や高音域はになればなるほど、その音を出せるようになるまでに一苦労です。
それがどうでしょう、ハープなら弦をはじくだけで音が出る!
音を出す⇒良い音を作る
の流れのうち、「音を出す」を難なくクリアできます。
②一人で演奏を完結できる
基本的にハープは、ピアノと同じく左手で伴奏、右手でメロディーを弾きます。
そのため合奏やアンサンブルをしなくても、自分一人で曲を完成させることができます。
ここが、趣味として演奏する楽器に選んだ最大のポイントでもありました。
楽器を演奏するとき、「この曲を弾きたい」から始まることが往々にしてあります。
そのとき、管楽器ではメロディーしか奏でることができません。
それもそれで楽しいけれど、やっぱり「和音ほしい!伴奏ほしい!」となってしまいまいます。
思いつく方法としては、多重録音や伴奏音源。
ただ、どちらも機材なり譜面なり用意するものが増えます。
伴奏音源に至っては、なければ自作する必要が出てくるかもしれません。
しかし!
ハープなら、必要なのは楽器と楽譜だけ。
多くの曲を一人で演奏することができます。
伴奏とメロディーのパチッとはまったときが気持ち良い。そして楽しい。
③弾きたい曲がある
ここまでに挙げた①と②は、ピアノなど鍵盤楽器にも当てはまります。
そういった別の選択肢もあるなかでハープを選んだのは、ある演奏を聴いたから。
ハープが「いつか弾きたい」から「いまにでも弾きたい」に変わった演奏があります。
竪琴小杏仁さんの『三葉のテーマ』!
過去の記事でも紹介させていただいたことがあります。
もともとはピアノの曲で、それをハープで演奏されたもの。
これが好きで好きで原曲より好きです。
柔らかくて芯があって、儚げで透明感もあって…とにかく、その音色と曲の雰囲気の虜になりました。
それまでの人生で「こんな風になりたい/やってみたい」と思うことはほぼありませんでしたが、この演奏は違いました。
「こんな風に弾けるようになりたい」と思ったのを、今でも覚えています。
それから数年経って、ハープを趣味にすることが叶いました。
自分の手で初めて弾いたときは死ぬほど嬉しかったです。
④癒される
あとは単純に音色が好きです。癒されます。
小さいころ遊んでいたカシオのキーボードに、ハープの音色が入っていたのですよね。
デモ演奏としてパッヘルベルの『カノン』が収録されており、それはハープの音色で演奏されるものでした。
キーボードとはいえ、その柔らかい音色に当時から癒されたものです。
ハープとしての音色と、小さい頃の思い出としての音色のどちらもが影響して、弾いても聴いても癒されます。
楽器の合う合わない
以上がハープを始めようと思った理由です。
前半は管楽器disのようになってしまいましたが、決して悪く言いたいわけではありません。
私の場合、諸々の理由で管楽器の演奏は体に合わなかったものの、管楽器の音色や他の方の演奏は好きです。
低音域や高音域の音が出しやすいか出しにくいかは人によりますし、メロディーのみを奏でられるからこその魅力もあります。
そこにあるのは優劣や上下ではなく、合う合わないだと思っています。
自分が何を楽器に求めているかを考え、深い納得感を持ってハープを始められたのは管楽器に触れたおかげですし、その点で感謝しているのも事実。
合わないものにも、合うものに繋がるヒントがあるかもと思った次第です。